Debian 9.11でWPA2のWiFiを使う(NEC Aterm WL300NU-G)
0,目次
- はじめに
- 導入
- 設定
- おわりに
- 参考文献
1,はじめに
本日、自作PCが完成しました。
ですが、悲しいことに、予算不足からHDDやSDD、またWindows 10については未購入です。
とはえい、動作確認を行いたかったため、Debian 9.11を起動させました。
本稿も自作PC on Debian 9.11で書いています。
自作PCの動作検証で手間取ったのが、無線LAN対応です。
有線LANを繋いでの検証は割とかんたんにできたのですが、
PCの設置場所的にWiFiが使えたほうが便利なため、対応を試みました。
しかし、WiFIアダプターはマザーボードに搭載されていません。
色々探すと、過去に購入した「NEC Aterm WL300NU-G」がありました。
ものすごく古い製品ですが、これを使います。
- Debian 9でWiFi (WPA2)を使用したい
- 古いUSB Wifiアダプター(AtermWL300NU-G | 製品情報 | AtermStation)を使用したい
- 全作業につき管理者権限(rootユーザー使用)
過去記事として普通にDebainでNICのWiFiを使う方法について記事を書いています。 Debian 9.8でWiFiを使う
2,導入
今回は古いWiFI USBアダプターを使用するため、ドライバ等の導入が必要です。
これにつき、既にDebianで試された先人がいらっしゃいました。
debian squeeze + NEC Aterm WL300NU-G | popopoの自由帳 - 楽天ブログ
上記記事を参照しつつ、WPA2のWiFiにつなげるまでの一連の手順を記載します。
(1)ドライバー
まず、古いWiFIアダプターを動作させるために、ドライバを探します。
apt-get install firmware-atheros
上記コマンドの実行により、WL300NU-G用のドライバが導入されるはずです。
再起動を行います。
そして、ネットワーク設定を確認します。
すると、WiFiの情報が表示されそこから、接続が行えるはずです。
しかし、私の環境ではWPAやWPA2で暗号化しているWiFiには接続ができませんでした。
(2)WPA接続用ソフトウェア
最初はUSBのWiFiアダプタが古いため、対応していないのかと思いました。
しかし、機能仕様を確認すると、対応している感じなので、なんとかします。
wpasupplicantというソフトウェアでWPAへの対応ができるそうです。
導入します。
apt-get install wpasupplicant
上記コマンドの実行で、wpasupplicantが導入されました。
導入後、再起動を念の為行います。
3,設定
(1)インターフェース名を確認
各種ソフトウェアの導入は完了しているため、USBを装着します。
装着後、数秒待ち、下記コマンドを実行します。
iwconfig
上記コマンド実行結果例は下記の通りです。
wlx003a9d3b078f IEEE 802.11 ESSID:"XXXXXXXX" Mode:Managed Frequency:2.437 GHz Access Point: XX:XX:XX:XX:XX:XX Bit Rate=52 Mb/s Tx-Power=20 dBm Retry short limit:7 RTS thr:off Fragment thr:off Encryption key:off Power Management:off Link Quality=54/70 Signal level=-56 dBm Rx invalid nwid:0 Rx invalid crypt:0 Rx invalid frag:0 Tx excessive retries:712 Invalid misc:354 Missed beacon:0 enp34s0 no wireless extensions. lo no wireless extensions.
WiFiアダプタは「wlan0」みたいにきれいな名前ではなく「wlx003a9d3b078f」のように表示されているはずです。
(2)インターフェース設定
「/etc/network/interfaces」ファイルにUSBアダプタの記述を追加します。
私の環境では、下記を設定することで、WPA2のWiFiにつながりました。
# This file describes the network interfaces available on your system # and how to activate them. For more information, see interfaces(5). source /etc/network/interfaces.d/* # The loopback network interface auto lo iface lo inet loopback # 2020/01/30 # add wifi auto wlx003a9d3b078f allow-hotplg wlx003a9d3b078f iface wlx003a9d3b078f inet dhcp wpa-ssid XXXXXX wpa-psk XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX gateway 192.168.0.1 netmask 255.255.255.0
ここの、デバイス名(wlx003a9d3b078f)については、読まれた方の環境に合わせてください。
また、「wpa-ssid」には接続したいWiFiのSSIDを設定してください。
注意点として「wpa-psk」はWiFiのパスワードではなく、下記コマンドの実行結果のWPA-PSKの値を入力します。
wpa_passphrase "接続したいSSID" "WiFiのパスワード"
実行例として、下記を実行した場合の出力を掲載します。
wpa_passphrase "sysrigar" "HelloWorld"
実行結果は下記のとおりです。
root@VAIO-S-SB-Debian:/etc/network# wpa_passphrase "sysrigar" "HelloWorld" network={ ssid="sysrigar" #psk="HelloWorld" psk=99cd5f8fef78cc8903733337f105fa7ad20d6c66ac6687f77983611fc5baa32d }
出力例のPSK欄の値につき、読まれた方の値で、先程のインターフェースの「WPA-PSK」欄に記入します。
(3)接続確認
上記で設定が完了したら、下記コマンドを実行します。
ifup wlx003a9d3b078f
正常に設定が行われている場合、WiFiでの接続が始まります。
アダプターを取り外す際は下記コマンドを実行します。
ifdown wlx003a9d3b078f
言うまでもないですが、「wlx003a9d3b078f」は私の環境でのアダプタ名ですので、読まれた方はご自身の環境に合わせてくださいね!
4,おわりに
パソコンを自作することはいつかやってみたいと思っていました。
実際作ってみると、ケーブルの結線や、エアフローなど作ってみないとわからないことが多いなと感じました。
このご時世ですので、BTOなりメーカーの既製品を買うほうが安心・安全ではありますが、実際に自分の手で作ってみると、おもしろかったです。
Windowsを買わずにゲームができるのか、そういう人がいるかもしれません。
しかし、Factorioやシビライゼーション6やTerariaなどのPCゲームは、Linuxでも動作します。
というか、Debianを起動し、Steamを入れて、それらが起動したことを確認しました。
この調子だと、Windowsを買うのがどんどん遠のきそうですw
5,参考文献
- networking – wpa_supplicant does not connect with ioctl[SIOCSIWENCODEEXT]: Invalid argument error! – Ask Ubuntu
- Linuxでwpa_supplicantを使ってWPA2の無線LANに接続する方法 — ぺけみさお
- 無線LANのパスフレーズを暗号化するには? wpa_passphraseコマンド:ネットワーク管理の基本Tips – @IT
- 無線LANを使うための設定 – 猫ちゃんGo
- nambei-x’s blog: Ubuntu10.04 WL300NU-Gを使って無線LAN接続
- debian squeeze + NEC Aterm WL300NU-G | popopoの自由帳 – 楽天ブログ
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